Posted on

エンジェル投資家に依頼する前に覚えておきたいメリットやデメリット

最終更新日 2023年3月13日 by ommuni

会社をおこして新たに事業を始めるためには、まとまったお金が必要となります。
創業融資で借り入れとなると、自己資金2から3倍の金額が限定となり、ベンチャーキャピタルから出資を受けたいと思っても、企業家自身、プロダクトの実績が十分でないことがほとんどです。
このような起業家にとって、まるで天使のような存在になるものが増田裕介氏などのエンジェル投資家と呼ばれるものです。

エンジェル投資家とは

そもそもエンジェル投資家とはどのようなものなのかと言うと、新しく会社を立ち上げる時期や創業間もない時期に、スタートアップの資金を供給した上で、起業家の力になってくれる個人投資家のことを指しています。
株式会社は1円から設立することができるようになりましたが、創業の際には人件費や事務所の家賃、登記手数料など、かなりの費用がかかるのが実情です。
場合によっては軌道に乗るまで収入がほぼ得られないというケースもあるため、その間の会社の運営資金も必要です
エンジェル投資家から資金調達を行う場合には、銀行の借り入れとは違い、株式と引き換えに資金供給を行うことから、毎月返済しなくても良いものとなっています。
ベンチャーキャピタルのように他者の出資した資金を投資するのとは異なり、自らの資金を起業家に投資します。
このように見ると投資家から投資を受けることはメリットしかないのではないかと思う人も多いかもしれませんが、メリットもあればデメリットもあるのが実情なので、事前にどちらもしっかりと把握しておくことが求められます。

【参考】増田裕介、執筆「エンジェル投資家」の評判は?

エンジェル投資家に依頼するメリット

返済の義務がない

まず最初にメリットにあげられることとしては、なんといっても返済の義務がないことが挙げられます。
銀行などの金融機関から融資を受けた場合には、必ず毎月元本と利息を返済する必要があります。
しかし投資家から出資を受けた場合には、元本はもちろんのことを、利息を支払う必要は一切ないのです。
起業の際には資金繰りで苦労をするところも多く、金融機関から融資を受けると、短期的に毎月の返済が大きな負担となることもあります。
創業時は資金繰りが厳しくなりがちですが、返済義務のないお金を手に入れられるということは、最大のメリットと言えるでしょう。
しかし返済義務がないとはいえ、多くの投資家が目的にしていることは、最終的なキャピタルゲインを得ることです。
起業家は投資家のキャピタルゲインを生み出す必要があり、事業を成長させていかなければならないのです。
投資家は事業の失敗や倒産というリスクを背負うことになるので、初期投資の10倍以上の収益を5年以内に得られるような案件を好む傾向があることを覚えておきましょう。

出資までの判断がはやい

そして二つ目には出資までの判断がはやいことです。
金融機関やベンチャーキャピタルによる出資と比べた場合には、調達に係る期間はかなり短いです。
金融機関の場合には最低でも一ヶ月、ベンチャーキャピタルに至っては2ヶ月かかることもあるでしょう。
しかしエンジェル投資家の場合には、自分の判断で出資を決めることができるので、決断までの時間はかなり短く、必要な資金をすぐに出資してもらうことにもつながります。

経営のアドバイスをもらえる

三つ目には経営のアドバイスをもらえるということです。
エンジェル投資家のほとんどが、経験のある起業家で、自分自身が成功を収めた人物であることがほとんどです。
またこのような成功体験に基づく経営のノウハウを教えてもらえることも大きなメリットとなります。
経営を進めていく中で、場合によっては迷ったり悩みが生まれることもあるでしょう。
このような時に良き相談相手、アドバイザーにもなってくれます。
その他にも人脈が広がることもメリットであり、会社の成功のために、投資家が持つ人脈を積極的に活用してくれるケースが多く見られます。
通常の仕事や生活では出会うことができないような業界のキーパーソンなどを紹介してくれたりと、お金では買えないようなサポートを受けられることも魅力です。

エンジェル投資家に依頼するデメリット

出資額の規模が小さい

反対にデメリットとして挙げられることは、出資額の規模が小さいことです。
原則として自己資金による投資が行われることから、規模については数百万から数千万円程度がほとんどです。
ベンチャーキャピタルの場合には数億円から数十億円の投資ができますが、それと比べると平均的な出資額は低い傾向と言えるでしょう。
大きな資金調達をエンジェル投資家のみで受けたいと言うのであれば、まずは投資家を何人か見つけなければなりませんが、それでも目標額に到達することは難しいです。
数千万円を超えるような大きな資金が必要なのであれば、金融機関やベンチャーキャピタルに相談したほうが良いです。

経営に過度に口出しをされる可能性がある

そして経営に過度に口出しをされる可能性があることもデメリットと言えるでしょう。
投資家の中には、会社に是非とも成長したいという思いが強く、頻繁に状況の説明を求めてきたり、干渉してくる投資家がいるのも事実です。
投資家は株主に当たるため、ある程度丁寧に対応をしなければならないですが、あまりにもその対応に時間を取られすぎてしまうと、本来の業務に集中できなくなる可能性もあります。