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自費出版で作成した本も国立国会図書館に納本できる

この記事は以下のような人におすすめです

・自費出版を考えている
・自費出版をする際の注意点を知りたい
・図書コードって何?

自費出版は、出版にかかる費用を著者が自ら負担して作成します。
出版には、執筆、編集、校正、図書コードを取得して印刷、製本、出版という手順が存在します。
ここで図書コードという言葉が出ててきます。
図書コードとは、国際規格である「ISBN」「分類コード」「価格コード」を表示するコード体系です。
出版物を特定するために必要なコードであり、日本国内で出版されるすべての図書に表示されています。
図書コードを取得することで世界で1冊の本が誕生します。
この本を個人で楽しむ方もいれば、知人に配る、ネットで売る、もしくは書店と特典契約してる出版社から書店に並べる方もいるでしょう。
できれば売れてほしいと思うのが人の心で、出版社・書店側も可能性があれば行動に移します。
考え方は人それぞれで好きな方を選べます。

商業出版の本と同じように図書館に納本する義務が生まれる

この世に誕生した1冊の本は、商業出版の本と同じように図書館に納本する義務が生まれます。
納本制度は、国内で刊行されたすべての出版物を図書館などの指定期間に納本することを義務づけています。
納本制度は、国内の出版物を広く収集し・保存し、図書館資料として多くの人に利用してもらう目的があります。
指定された機関で保存された資料は、永続的に残していくことができるため、民間人であっても、戦争体験の本など貴重な資料が残されていることも少なくありません。
現在、私たちにとってあたりまえの世の中を記載した資料でも、百年、二百年も経てば貴重な資料として後世の役に立つこともあるでしょう。
例えば、インターネットの普及と携帯・スマホ所持者が増えたことで、町中にあった電話ボックスは姿を消しています。
その電話ボックスも博物館に置かれるようになり、後世の貴重な資料として残されています。
エッセイのようなありふれた日常であっても、詳細に記録することで貴重な資料として役立つこともあるでしょう。

国立国会図書館法(昭和23年法律第5号)の第25条について

日本では、国立国会図書館法(昭和23年法律第5号)の第25条により、出版物が発行されたときは、国の諸機関、地方公共団体、独立行政法人等は、直ちに法定部数を国立国会図書館に納本することが定められています。
民間であっても同様で、発行者は、発行の日から30日以内に最良版の完全なもの1部を国立国会図書館に納入を義務づけています。
正当な理由なく納本されなかったら場合は、その書籍の小売価額(小売価格がないときはこれに相当する金額)の5倍に相当する金額以下の科料に処されます。
作成された本は貴重な資料なので、他者の貢献にはならないからと疎かにしてはなりません。
納本は法律で定められた義務ですが、自分の作成した本が国立国会図書館に置かれ、半永久的に保存されると思うと嬉しいかもしれません。
日本では、納本図書館として国立国会図書館が直接納本を受けます。

具体的な納本の仕方

納本の仕方ですが、官公庁の出版物は、各省庁に設置された国立国会図書館の支部図書館が、それぞれ属する省庁ごとに納本を行います。
独立行政法人や地方公共団体は、郵送での納本を行っている場合がほとんどです。
民間であれば、取次会社や地方・小出版流通センターを通して行われます。
個人出版で取次会社を通さない場合は、郵送で国立国会図書館の収納部宛に郵送するか、直接持ち込んで納本します。
取次会社を通す場合は何も心配入りません。
自分の本が確実に納本されたか確かめたい場合は、国立国会図書館のレファレンスサービスに申し込むか、ホームページ上の「国立国会図書館蔵書検索・申込システム」(NDL-OPAC)で検索して確かめられます。

国立国会図書館以外の公立図書館への納本は義務ではない

国立国会図書館に納本した後ですが、公立図書館など地元の図書館へ納本するのか迷う方もいるかもしれません。
国立国会図書館以外の公立図書館への納本は義務ではありません。
地域や図書館の規模によって考え方に違いがあります。
本の内容や体裁、自分史などのように私的な本については納本を断られる可能性もあります。
もし地元の図書館への納本を希望する場合は、一度問い合わせてみましょう。
自費出版物の蔵書に努めたり、自分史のみを専門的扱う私営図書館も存在します。
自分の本に合った図書館を見つけて献本して下さい。

まとめ

自費出版なのに国立国会図書館に納本する義務があると聞いて、驚いた方もいるかもしれません。
商業出版であれば確実に図書室間に保存されることが想像できても、自分の個人史やアンソロジーのような本が納本できるとは驚くでしょう。
自費出版は、商業出版と違って、商業ベースに乗せる必要はありません。
自分の意見・体験を色濃く残し、多くの人に共感されなくても、たったひとりの人の心に深く影響を与えることもあるでしょう。
もちろん、自費出版から多くの人に読まれベストセラーとなる可能性はあります。
ですが、多くの人に読まれる本ばかりが本ではありません。
自分の作った本を納本すれば半永久的に残ります。
自分がこの世から去った後、誰かが手に取り心に響くこと考えると自費出版をする価値はあるのではないでしょうか。

【参考】自費出版費用